年賀状

 お正月の楽しみの一つは年賀状の交換で、特に日頃ご無沙汰をしている旧友たちと年に一度のハガキの交流で、互いの近況を知り、様々な感想や感慨を抱きます。

 

 昨年10月にわたくしは父を見送りました。残される母への配慮や身辺の整理を全て自身でやり遂げ、最後の一週間だけベットで過ごし、101歳と9ヶ月の天寿を全うし、三世代の家族に見守られて大往生を遂げました。孫たちに「おじいちゃま凄い!」と言われながら、他者を煩わすことなく父らしい静かで穏やかな見事な旅立でした。

 

 本来ならば喪中ということになるのですが、私たち家族にその意識はなく、「大往生でめでたい!」という思いが強くて、あえて賀状の欠礼挨拶は出しませんでした。

事情を知っている方からも、例年どおりの賀状をお送りくださる方達と、自らご遠慮してくださる方、そして知らない方達からはいつも通りのご挨拶を頂戴しています。わたくし自身はお正月が開けたら「寒中見舞い」に変えて、新年のご挨拶をさせていただこうと思っています。

 

 昨年も10月中旬からたくさんの喪中欠礼のご挨拶状が届きました。思いがけない悲しいお知らせや、信じられないお知らせに無念で心が震えました。そして天寿を全うしてくれた父に感謝しながら、いま家族だけの静かなお正月迎え、父の好きだったおせちをいただきながら思い出話に花を咲かせています。

 

 今日も今年の大飛躍を感じさせていただく、元気の出る新年のご挨拶状が届きました。「うーんこれは凄い年になりそうだ。」と賀状を手にワクワクしています。「うわー、もうこんなに大きくなって」や「え!こんなことを始めたの、やりますねー」など嬉しい驚きのニュースが満載です。

 

 新しい年のメッセージは、一枚のハガキにそれぞれの生き方や考えが反映されたとても個性的で貴いものです。日本独自のこの習慣が、人と人との大切な絆を結びつけてくれる貴いものであり続けられるように願っています。