20年ぶりに茶室を復活

 三連休の中日、友人からこの休日をどのように過ごしているかを問う楽しいメールが届いた。実は今月に入って、急に思い立ち、猛烈な勢いで長年放置して来た様々な【物】の整理が始まっていた。夏から始めたセミナー内容のパソコン入力はまだ続いているが、これに加えて週末や休日には早朝から、まずはじめたのが書籍類の整理。その時々に高い評価を受けていた過去20年間の話題の本を150冊ほど処分した。処分の選択基準は、今では時代遅れで再読はあり得ないと思われる内容。また私自身、最近の読書傾向に変化が出たこともあり、興味深い本だけを残してすっきりした書棚になった。20代から年代ごとの傾向制があって、読書が私を育んでくれたことがよくわかる。と同時に成長はあるが、本質的な興味や感心は変わらないことも見えて来る。


 次にチャレンジしたのが茶室の復活である。20年前の12月に突然会社経営を引き継ぐ運命に「お茶どころではない」と何日かかけて茶室の整理をした当時を思い出す。20年の間に、茶室は使わない物の一時置き場でいつの間にかお納戸のようになっていた。茶道具も分散していたので、全てを茶室に戻し一つ一つの道具と再会し確認する。そして[道具リスト]を作って道具別に炉用と風炉用別に分け、窯元や作者名などを加えた私にとては画期的なリストができあがった。当時は全て手書きのメモであったが、今ではパソコンで一目瞭然使い勝手の良い整理が出来るのでありがたい。

 収納場所と道具リストのリンクで、季節や用途に応じて、たとえたった一人の楽しみでも、すぐに取り出して一服を味わうことができそうで嬉しい。

 今回は炉を開くところまではいかなかったが、最後に床の間に軸を掛け、季節に相応しい詫びた花入れを置いただけで茶室全体に静寂と妙な落ち着きが広がって、20年ぶりの茶室の復活を静かに喜んでいる。