節分

ドキュメンタリー映画の中に、日本に古くから伝わる伝統文化や行事も追って来たが、世間一般に言われている節分の行事にも大切な意味があり、儀式の様子をフィルムに納めた。私どもが参加したのは、奈良時代に中国から仏教や道教と一緒に入った節分祭で「星供養」とよび、当時は天皇や貴族たち生きている人間の魂の供養が主な目的で、他にも悪霊や疫病などを払う目的があったようだ。平安時代には大晦日に宮中で盛んに行われたと伝えられている。豆まきの行事は室町時代中期から始まり、庶民が豆まきに参加できるようになったのは、江戸時代になってからだという。

室内で護摩が焚かれ、天井に届かんとするほどの勢いのある炎は、2mに近い高さで、温度は100度に近い。そのような中で、2013年の厄を払い、魂の浄化をして、2014年が始まるのである。撮影者はマスクをして酸欠に近い状態の中で、炎の見事さに魅せられたと感想を述べておられた。

2014年の無病息災と、この国が守られますように、地球に平和が訪れますように、と護摩の煙に燻されながら祈った。