日本人に欠けている4つの要素

 2013年2月の東洋経済ONLINEで共感をよぶ記事と出会った。最近世界的な傾向で、不健康な愛国心が拡大しているように思われるときに、あのときの提言内容をもう一度読み返して考えてみたいと、当時わたくしが記録していた記事の一部から抜粋してここにお分かちしたい。

 タイトルが衝撃的で『なぜ日本人は「エセ日本人」だらけなのか?』 副題は「健全な愛国心」と「不健全な愛国心」山田順筆 以下は山田順氏の提言である。

 

 日本人はどうやって日本人になるのだろうか?ほとんどの日本人は、「自分は自然に日本人になった。日本人になるために、なにか特別なことなんかしなかった」と思っているはずだからだ。

 

 実は、私はあるときからそうは思わなくなった。日本で日本人の両親から生まれ、この国で教育を受け、この国で育っただけでは日本人になれない。なれるのは、日本人というアイデンティティを持たない、日本人とは呼べない「エセ日本人」だけだ。

 

 こう書くと、「えっ、ということは今の日本人の大半が日本人でないということになりますが?」と聞かれるが、そのとおりではないだろうか。今の日本人の大半は、私が信じる日本人ではない。なぜなら、まず、日本に対する健全な愛国心、郷土愛がない。次に、日本の歴史を知らなすぎる。続いて、異文化を知らない。さらに、世界標準語(英語)を話せない。(文中には実証する数字のデーターが加えられていた)

 人類の歴史上、最も世界が狭くなったこのグローバル時代に、この4つの要素を欠いていたら、どうやって自分の人生を切り開けるのだろうか?

 日本人に限らず「〇〇人になる」ということは、実は大変な努力と勉強がいる。それをしないで「〇〇人になる」などということはありえない。世界の多くの国では、これが当たり前である。なぜなら、大抵の国家はいくつかの民族コミュニティの集合体であり、日本のようにほぼひとつの民族、ひとつの言語、ひとつと言っていい文化で成り立っていないからだ。

 今の日本の教育現場には、日本人をつくっていくというプログラムがない。以上

 

 上記の日本人に欠けている4つの要素の中でも、わたくしはとりわけ日本に対する健全な愛国心、郷土愛がない。日本の歴史を知らなすぎる。の2点を重く受け止め、同時にこれはアイデンティティーの確立の基盤であり、どんなに深く異文化を知り、世界語が話せても、日本人になっていなければ国際社会からは受け入れられない。

 日本の教育現場に日本人をつくる健全なプログラムが組み込まれることを早急に望みたい。それをしない限り、この国が世界でリーダーシップを取ることは出来ない。 そして自国以外は全て異文化である理解が無くならない限り、ヘイトスピーチや差別意識に代表される不健全な愛国心も減らない。

 世界的に不安定な潮流が生まれつつある中で、私どもはいち早く「本来のあるべき姿」を明確に世界に示してゆきたいと強く希望する昨今である。