近所のお野菜

 地元の小ぶりで新鮮な竹の子が手に入った。都内の居住地域内で、いまだ竹の子が取れることに驚き、実際に手にして大感動。さっそく、今夜は竹の子ご飯と決める。

 例年、京都、九州、鎌倉など、それぞれの地域の手塩にかけたご自慢の竹の子を送っていただき、感動と感謝で春を味わってきたが、この地に住んで50年、初めて味わう地元産の竹の子は果たしてどんな味がするのか、少々怖さも感じながら・・・

 

 特別なご飯には菜の花も添えたいと口にしたところ、「裏の畑の野菜は有名イタリアンレストランのシェフが遠路わざわざ買いに来るほど珍しい野菜が揃っているらしい。行ってみたら?」と声がかかり、そういえば数日前、菜の花の黄色が目に入ったのを思い出して、直売所に足を運んだ。

 目的の菜の花には、苦みのある丈の短い種類と、おひたしなど向きの丈がスラッとして味に癖のない2種類の紹介があった。「へー、菜の花も使い道によって種類がちがうんだ」と感心していると、「今日は青キャベツがお勧めです」と、真っ黒い葉の塊を取り出した「これがキャベツ?」「はい、北イタリア地方などでよく食べられていて、ベーコンでいためてスープにすると美味しいです。」「他に今日のお勧めは?」「ルッコラですが、葉の部分は通常のサラダに、花は天ぷらにすると良いですよ」「これがルッコラの花?初めて見ました。それから人参は、紫色、青、黄色、橙、白、のセットをいただきます。細いので生のままディップやオリーブオイルでいただくのに最高ね!」「煮ても色が奇麗に甘みも出るので、メインディッシュの付け合せにいいです。」ブロッコリーも市場に出回っている種類と少し形状が違うので、我が家には使いやすく便利でワクワクしながら追加する。支払いをしながらふと足元を見ると「これ、もしかしたらビーツ?」「ああそうです。目が早いですね」「ください」「茎と葉の部分の食べ方はインターネットで検索してください。」

 目に留まったビーツは、たまたま数週間前の週末、缶詰のビーツで作ったサラダに

「日本でビーツは取れるの?缶詰以外は目にしたことがない」と聞かれ、「夏、軽井沢で葉つきを見たことがあるので、もし今年あったら使ってみましょう」と答えていたので潜在意識に残っていて目に入ったのだと思う。それにしてもビーツには驚かされた。

 竹の子も菜の花も採りたての新鮮なみずみずしい美味しさで大満足。特に竹の子はこれまでのどんな高価な超特級品といわれるものよりも美味しく感じた。

 

 わたくしたちの体は”食べたとおりの体になる”と言われている。また”食することは命を移し替えること”とも言われている。購買者は地元で育まれた新鮮な野菜から命を移し替えてもらい、生産者は経済的な安定を得る。グローバルな種類の野菜生産に取り組み、ローカルにビジネス展開を。とても賢い!これからも応援していきたい。