突然のお別れ

 昨日、エグゼクティブ・コーチンを4年前にお受けくださった才能ある映画の製作者であり、ディレクター・監督の告別式があり、つらいお別れをしました。

素晴らしい才能とお人柄の両方に恵まれた有能な人材を突然失ない残念で悔しくてなりません。

 6日(日)のお昼過ぎに共通の知人からご連絡をいただいたときは「ご冗談でしょう?」と思わず問い返すと、「僕も2日前にNHKで来年のドラマの打合せでご一緒でしたが、いつもと全く変わらずに仕事をして別れたので信じられません。」あまりの突然の辛いお知らせでした。

 私が最後にお目にかかったのは、8月1日でほんの数分間。満面の笑みで「ご報告したいことや、ご相談がいっぱいあります。」「そう、では後ほど日時を決めましょう。」これが直接話した最後の会話となりました。その後、メールでのやり取りはありましたが、まさかこんなに急に旅立たれるとは予想だにしていませんでした。ご本人も同じ思いではなかったかと存じます。「山本さんのグローバルに考えて、ローカルで実戦する。この考えに共感して6ヶ月頑張りました!でも実際にはグローバルに考えることがなかなか出来なくて、随分厳しいコーチングを受けました。」後日よく笑いながらご友人に受講中のエピソードをご紹介くださっていました。

 この3年間は彼のご出身地三重県や地方で頑張っている方々を応援する映画やイベント企画が多くなって、“激動のいまの日本を、ご自身の故郷での変化を通して前向きに受け止めて前進する提案で周囲に訴えている”と嬉しく拝見していました。それを評価すると「いやー、山本さんほど物事をポジティブに受け止める人を他に知らないから、驚きの見本ですよ。でも、僕もやってみると、確かに良い方向に廻っていくので、人をあまり疑わなくなりました。」リッツやキャピタル東急ホテルのロビーで、何時間も話し込んでいる姿を目にしているホテルの方達は、たまに短時間で終了すると「今日はもうおしまいですか?」と冷やかされ「監督のアイディアが湧き出て止まらないので、今日は途中で栓をしました」と聞き役の私は答えたものです。

 私のたっての願いをお聞き入れくださり、日本古来の自然宗教に外来のシャーマニズムや仏教との習合から生まれた日本独自の修験道関連とこれまで誰も撮ることができなかったテクノロジー等の一部をドキュメンタリー映画として自らカメラを廻して追いかけてくださいました。古代から続く口伝の儀事・儀礼を記録し世界に発信できる貴重なメッセージを残してくださったのです。

 コマーシャルのプロデューサー時代は「スーパードライ」を大成功させ、映画に移ってからは「琉神マブヤー」や「サラリーマンNEO」「Always三丁目の夕日」などを成功させた山際新平さん。ご自分の得意分野でトコトン頑張って多くの方々を喜ばせ、幸せ気分に変えてご自身は突然次の世界にジャンプして、もう次の作品の製作開始ですか?