こだわり


 三連休は読書三昧で過ごした贅沢な時間だった。

これまでは、休暇というと日ごろコミュニケーションを大切にしている私としては、外に意識が向き、社交を優先して来たが、今回は一人で考えたいことやたまっていた活字ニュース、ビジネス誌などにゆっくり目を通したいと決心をし、書斎に籠った。

 この時期には珍しく、曇り空や小雨という気象上の支援も重なって、落ち着いて集中したひとときが過ごせた。

 

 活字ニュースからは、現在の社会状況をあらためて知らされた思いだった。国内外で起こっていることは何一つ他人事ではなく、すべて私たちの日々の生活と密接に結びついていることを認識し、一人一人が現状を真剣に考えることが問われていると知らさせられた。そしてリーダーと言われている方達には、大げさではなくて、もっと地球上で起こっているいまを自覚していただきたいと思った。とにかく最近、日本の政治リーダーの国際社会における評価は、情けないほど低い。井の中の蛙であることに残念ながら気づいていないのが主要原因であろうと思われる。

 国内においても目指している方向の真意が曖昧で、説得力のないまま理念だけが先行して”だだっ子が我を押し通しているだけ”の印象で、国民のための政治をどうしたいかが全く伝わってこない。言葉に説得力がないし、職務に責任を持っているとは思えない。単なるプレゼンテーションもどきかパフォーマンスで終わっている。だから政治家としては残念ながら稚拙と言わざるを得ない。

 

 読書は読みたい本は既にたくさん書棚に鎮座しているが、どういうわけか、休暇の前日にアマゾンから送られて来た推薦図書の一冊に釘づけになり「この中に私の求めている答えのヒントがあるかも知れない。」と直感が閃いてすぐに注文した。

ズーット探していた答えが得られるかどうかは読み手の私次第ではあるが、ヒントになる内容が詰まっていた。思いがけないこの本との出会いに感謝している。

 もう一冊は純粋に楽しい一冊。『平安の心で「源氏物語」を読む』山本淳子著 朝日新聞出版。時代を超えて、優れた日本女性の才能を見事に発揮した裏づけの証拠として「平安時代に活躍した世界最初の女流作家、紫式部と清少納言」をこれまで私は様々な場所で紹介して来たが、今回この本を読んで、紫式部の前に既に先輩女流作家がいたことや、当時女性の歌人や作家が多かったことに驚かされ、日本文化の高さと女性たちの優れた観察力や見事な表現力に感嘆した。


 意識的にこだわりを持って休暇を過ごすと、得られるものが多い発見があった。