コミュニケーション

 組織や会社、団体のリーダーにお会いして「まずどこから改善が必要とお考えか」を質問すると、10人中9人は「コミュニケーション」とおっしゃる。「必要な情報が正確に入って来ないのです。皆バラバラで、問題意識も低く、何を考えているのか理解に苦しむ」と言葉が続きます。

 

 日本には、会話や言葉による表現をあまり評価せず、むしろ「不言実行」や「以心伝心」といわれるように、多くを語らずとも行動と結果で示し、理解し合うことを美徳とし、尊ばれる傾向がありました。これは鎌倉時代から700年近く続いた武家文化の名残かと思ったりします。

 近代に入って約200年の鎖国を解き、西洋の文化が入って来ても、国際社会に出る最低限のプロトコールを整えるのにいっぱいで、コミュニケーションには至らず、70年前の敗戦時の占領政策下マッカ―サー氏の指導で徹底的な改革が求められて今日に至っているこの国のこれまで辿って来た長い長い歴史を考えると、「ウーン、無理せずに取り組みましょう」と思わず声に出してしまう。

 

 グローバル世界を生んだのも僅か20数年前、コンピューターが短時間であっという間に世界を変えました。「地球全体が大きな家族」だと気がついた時から、みな無意識のうちにコミュニケーションの必要性を強く感じるようになった気がします。

スマホなどの機械にたより過ぎず、人間本来の本能的能力を活用して、相手を護るために言葉をかける、感謝の返事をする、感想を伝える、提案をする、夢を語り合う。

小さな一言が、大きな地球規模の幸せに繋がることを想像するとワクワクしてきませんか?

 まず思ったことは躊躇わずすぐに言葉にしませんか?コミュニケーションの第一歩はそこから始まるように思います。次のスッテップも機会あるごとに提案させていただきたいと存じます。