重陽の日

 今日は九月九日、陰の数字が二つ重なって陽になるのを祝って「重陽の日」と呼び秋の重陽の日は菊の花の季節から”菊の節句”を愛でる古くからの習慣は優雅だ。

 

 朝一番に花屋さんから大好きな黄色い菊の花をたくさん買ってきて、菊の節句を祝いたいと数日前からこの日をワクワク楽しみにしていた。が、あいにく昨日来の雨はやまず、お昼近くには台風18号が愛知県・知多半島に上陸したというニュースが耳に入る。この台風の影響だろう、東京もずーっと雨が降り続いている。

 長引く雨の影響だそうで、花屋さんにイメージしていたサイズの菊の花はなかったけれど、希望に近い黄色い菊に濃い橙色の菊を加えて、このお天気でいつもより暗いダイニングテーブルを明るく飾る。

 夕餉には、日本酒の杯に黄色い花びらを散らす予定なので、まず日本酒を購入。

子どもの頃、春菊としめじのおひたしに菊の花が入った料理が出されたときに「苦いから嫌」と拒否して両親を苦笑させたことを思い出す。久しぶりにあの春菊と菊の花を・・・とスーパーで探すが見当たらない。担当者に聞くと今日は入荷がなかったとのこと。「春菊は人気がなくて最近はあまり入荷しなくなりました。生産量も減ったようです」食文化の変化がこのような形で現れているのを時々発見する。

 

 今朝、2月にケープタウンで一緒だったパリの青年から、彼や二人の共通の友人の近況を知らせるメールを受け取った。あのときは連日日本の文化に関する青年からの様々な質問に応えたのを思い出す。日本文化に感心が高くて驚いたが、今日の返信は”菊の節句”のお祝いメニューと日本人の遊び心を伝えてあげよう。