視点の違い

 海外への重要な文章や、提案書を作成したときに、わたくしは必ず第三者に目を通してもらうことを実行している。早く相手に提案が届いたほうが良いのではないか、時間の無駄にならないか、助言次第で内容を修正してはあなたの真意が変わってしまうことにはならないのか、様々な思いを抱かれる方もおられるでしょう。

 今回も成り行きによっては国家レベルに進展する可能性の高い提案だったので、慎重に第三の目を通すことを実行した。自分自身の考えた提案であれば、「それはこうだから」と簡単に補足できるが、技術や新開発のご紹介は慎重には慎重を重ね、紹介がどれほど卓越した内容であっても、受け取る側には何の準備もないのだから、相手の関心のどこから入るのが心を開いて読み進めてもらえるかを考える。

 また情報の量にも配慮が必要だ。多過ぎては押しつけていると誤解を招きやすいし、少なくては、大した情報ではないと軽く受け止められる。最初にどこまで伝えるか情報量の加減も鍵になる。

こうして制作し自信を持って第三の目に見てもらった結果、返って来た文章にはカラーのマーカーで引かれた線が多かったり、クエスチョンマークを散見すると、実は動揺する。今日もそうだったが、落ち着いて!冷静に!と己に言い聞かせて、視点の違いを考えながら読み返す。数回重ねて、削除すべきところと補足箇所が明らかになり、納得して修正した内容を数時間後に読み返すと文章が変わっていた。個人的な変なこだわりが消えて、スッキリとした洗練された紹介文に変わっていた。これなら相手も抵抗感なく読めるだろう。

 提案には情報内容が伝わることが第一歩と考え、視点の違いを活用しながら広い視野で客観的に伝える努力をこれからも心がけ、続けてゆきたい。「良い情報が入手できた、これは面白い。」と次のステップに進むために。