嬉しい驚き

 午後3時から西麻布で予定が入っていたので、それまでに片づけておきたいことに集中していたら、思いがけない電話に驚く。30年近く前にアメリカ・エイズ財団会長のエリザベス・テイラーさんをお迎えして、東京でチャリティー・パーティーを開催したときに、当時日本の会長だった亡き夫をサポートして大奮闘してくださった現在はニューヨークに在住のみち子さんからだった。「いま東京です。午後5時以降は空いています。」「わたくしも5時以降なら大丈夫。ではグランド・ハイアットのロビーでお会いしましょう!」あまりの突然の電話にワクワクを通り越してドキドキした。当時は専業主婦だったので彼女はいまだにわたくしのことを「奥様」と呼ぶ。「今はビジネス・ウーマンの仲間入りをしているので名前で呼んでください。それに伴侶もいなくて奥様はないでしょう」と大笑い。お互いに近況報告をしながら、過去と現在を往ったり来たりする二人にしか通じない止まらない会話。ふと気がついて「Poulがお腹空かしていると思う。彼呼んで良いですか?更科でお蕎麦食べません?」「えー、ご主人さまも来ていたの。会いたい。」ですぐに麻布十番の更科へ。ご主人さまとは初対面。頭の回転が早くユーモアのセンスのあるチャーミングなニューヨーカーで結婚して20年になるという。彼は鴨せいろを注文したので「おそばはお好きですか?」と聞くと「20年間、彼女に厳しく鍛えられたので大好きです」と応えが返って来る。またまた三人で大笑い。お二人のお幸せそうなご様子に心から嬉しかった。

 このところ少々暗いニュースが多かったので、明るく開放的なニューヨークの風を運んで来てくださった旧友に心から感謝。