コモナリティ

 尊敬する若手のMBAの教授から、彼の最新の公式論文が送られてきていたが、ようやく読むことが出来た。

テーマは『コモナリティ』副題がーダイバーシティの次のステージとリーダーに求められる能力ーとなっていた。コモナリティとは、ただ、統一するのではないし、トップダウンで強力に指示するのでもない。お互いの違いや良さを認めた上で、本来企業にそのような多様な背景のある人が結集した意味、この企業のミッションやビジョン、戦略を実現することに共感し集まっているという企業がビジネスを行う根源的な価値を再び確認、共有し、それをより強固なリーダーシップで成果に昇華することを目指すことである。(伊藤武彦2015)とあった。

 変化の激しい世界のビジネス環境に応えて、クライアントの望む期待以上のものをご提供するにはダイバーシティの次のステージが求められることは理解できる。しかし、実際に企業のリーダーたちと接して、グローバル企業であってもダイバーシティを意識しておられる方達の少なさは淋しい。日々の数字に遇われて「人を育む=組織を育む」ことが二の次、三の次になっているのが現実だというが、取り組むべきテーマから目を逸らしていけないと、この論文を拝読して改めて思った。

 良く練りあげられ、平易な言葉で表現した、素晴らしい論文であった。