国立劇場で日舞を堪能

 尊敬する日舞の大巨匠の舞台を拝見するために国立劇場の大ホールに足を運んだ。無駄のないそれでいて繊細な動きの美しさと張りつめた緊張感。長唄とつつみ、三味線のハーモニーと舞踊の見事な一体感。日本の芸能の質の高さにあらためて感動し、舞台に眼が釘付けになり、大いに堪能させていただきました。

 派手さを押さえた、品のいい華やぎと、個々の芸が競い合い調和を保つ洗練された美しさに、ただただ感動しました。

 

 同行した映画監督と彼女自身最近日舞の稽古を始めたという新人女優と三人で「これはオペラのステージでもミュージカルでもない、日本独自の芸を磨き上げる鍛練から生み出された芸術性の賜物で、一番の特徴はこのピーンと張りつめた緊張感にあるのではないかしら」と感想を述べあった。

 

 バックステージを訪問して、舞台での圧倒的な輝きの美しさを正直に絶賛申し上げたところ、「本当に!嬉しい。」と素直に喜んでくださり、これにも感動した。

この道一筋、精進につぐ精進で、今日まで脇目もふらずに一筋の道を歩み続け、極めに近いと思われるご精進を重ねた方の一言は、筆舌に尽くし難い貴い輝きを感じた。