最近の読書傾向

 読書は成長のきっかけをつくってくれるわたくしにとっては大切な時間だ。幼い頃から今日まで、読書を通して未知の世界にたくさん触れ、夢や好奇心を育んできた。考える力を養う訓練にも役立っている。

 読書傾向は、広く何でも、や話題の本を読むではなくて、一人の作家に集中して、その時に感心の深いテーマに絞り込んで選択する傾向にある。とはいっても、これも意識的にではなくて気がついたらそのようになっていたのである。書庫を観ると成長過程がクッキリと見えてくるので面白い。

 本屋に行って好きなコーナーを回っていると、必ずいくつかのタイトルが目に止まる。「見て、見て」と本がわたくしを引き止める。思ってもいない新しい傾向の本との出会いは、いつも向こうから呼び止められてきた。

 

 ここ3.4年は専門のビジネス書以外に、古代史とりわけ日本の創世期に関心が深く、様々な視点から日本の国の成り立ちを知る本を探して読んでいる。とは言っても、あくまでも趣味の範囲であるから、自己の興味や好奇心を満足させてくれる内容で、専門的なものではない。

 父が読んでいた本をたまに手にすることもあるが、当時の専門家の主張には、いまひとつ説得力に欠ける傾向にある。が、最近の歴史書のなかには、より科学的な分析や裏づけのもとに書かれているのもあるので、解りやすく楽しい。

 グローバルな視点と専門分野に拘らない自由な発想が、国史にも生かされてきたことを嬉しく思う。何といっても人間力の幅の広さと深さが内容を盛り上げるようだ。