明日に繋がる今日の一言【自国外の事情を知る】

今朝のBSで、フランスのバカロレアがスタートしたニュースを興味深く聴いた。バカロレアはフランスにおける大学入試資格を得るための統一国家試験。今年の初日は哲学で「言葉は道具か」という問いに、4時間ほどかけて各自が思いを書き綴るのが課題らしい。8時からのスタートの机にはパンや果物などで朝食を取りながら考えている受験生もなかにはいて、日本との違いを見た。

正解のない問題が出題され、論理を用いて他者を説得する、文章を書く能力が問われる。フランスの友人は、バカロレアはフランスに住む青年たちが成人するのに避けて通れない関門と教えてくれたことがあったけれど、フランス全土で、全く同じテーマが出題されて、真剣に考え、文章にして、採点をいただく、平等な仕組みであり、受験者は考える力と書く力が問われるから、養われる。今日は初日で、以降専門に応じた三分野に分けた試験があるらしい。日本の共通一次試験は○×式出題が多いと聞くが、その違いに、教養とは、教育とは、を考えさせられた。基礎教育とは読む力、考える力、書く力、そして話す力ではないかと改めて考えさせられた。出題テーマの「言葉は道具か」は、私自身40数年来考えてきたテーマで、時間の経過と共に考えは変わってきている。他国の事情を具体的に知ることで、自国の未来を考えるヒントが生まれるから、自国外の事情を知ることは嬉しい。